【森美術館】「建築って面白い!」がぎゅっと詰まった「藤本壮介の建築」

おでかけ

東京・六本木にある森美術館で開催中の「藤本壮介の建築展」へ行ってきました。

建築のことは詳しくないけれど、昔から建物が好きで、10月に大阪万博に行く予定なので少しお勉強したいなと思ってました。

非日常の世界にふっと足を踏み入れたような、静かで刺激的なひとときでした。


⭐︎藤本壮介さんはどんな人?

藤本壮介さんは、北海道出身の建築家。自然が身近な環境で育ったこともあって、「自然と建物の境界をあいまいにする」ようなデザインが特徴です。

建築っていうと、ガッチリした四角いイメージがありますが、藤本さんの作品はもっと自由で軽やか。まるで森の中にいるみたいだったり、雲に包まれているような不思議な感覚を味わえるんです。

海外でも高く評価されていて、ロンドンで話題になったパビリオンや、フランスの「白い樹」っていう集合住宅も有名。

今は、2025年の大阪・関西万博の会場デザインも手がけていて、まさに“未来をつくる建築家”って感じです。

今回の展覧会でも、「これって建物?」って思っちゃうような不思議で心地よい空間がたくさんあって、ぐっと引き込まれました。


⭐︎思考の森

展覧会のメインともいえる空間。藤本さんがこれまで描いてきたスケッチや模型、構想メモが、まるで森のように立体的に配置されていて、空間そのものが“思考の集まり”になってるんです。

最初は「どうやって見るの?」って戸惑うくらい自由な空間で、でもそれが逆に心地よかったです。一歩一歩進むたびに、小さな模型やスケッチが目に入って、藤本さんの頭の中をのぞき見しているような感覚に。


⭐︎あわいの図書館

窓から東京の街が見渡せる展示室に、ブックディレクターの幅允孝さんが藤本さんの建築世界から受けたインスピレーションで選んだ本を、5つのテーマ(森と都市、混沌と秩序、大地の記憶など)に沿って40冊並べています。

各椅子にはその本から抜き出された言葉が添えられていて、本を読まなくても、言葉や配置から藤本さんの「思考のあわい(=間)」を体感できるようになっています。

本を読む人、読まない人、眺めるだけの人。それぞれがそれぞれのペースでいられる、「詩的な休憩スポット」って感じでした。


⭐︎開かれた円環

大阪・関西万博の会場をぐるっと囲むように設計された「大屋根リング」は、藤本壮介さんが描いた“つながり”のかたち。

真ん中に何かを置くのではなく、空や自然を包み込むような円。「いろんな人が自由に回遊できて、どこにいてもつながっている」——そんな思いがこの形に込められているそうです。

大きくてダイナミックなのに、どこかやわらかくて包み込まれるような印象。

見た目の迫力だけじゃなくて、考え方にもしっかりと“未来”がある建築だなと感じました。

10月に行く大阪万博がとても楽しみになるそんな展示でした。


⭐︎ぬいぐるみたちのざわめきの森

展示の中でちょっと異彩を放っていたのが、この「ぬいぐるみたち」。

藤本さんが実際に持っていたぬいぐるみをスキャンして、3Dプリントで再現・拡張したというユニークな作品です。形も大きさもバラバラで、どれも“ゆるい”のに、どこか建築っぽさもある不思議な存在感。

なんだかクスッと笑えて、ほっとする空間。

硬派な建築展示の中で、急にゆるっとしたものが現れて、いい意味で肩の力が抜けました。子どもの頃の感覚を思い出すような、ちょっと不思議であったかい時間でした。


⭐︎たくさんのひとつの森

藤本壮介さんが仙台で提案した、音楽ホールと震災メモリアルが一体になった複合施設のコンセプト。

名前のとおり、「バラバラなものが集まって、ひとつの森になる」ようなイメージです。建物だけじゃなくて、人や記憶、時間までが響き合ってつながるような空間でした。


⭐︎未来の森

「未来の森」エリアで紹介されていた《原初の森—共鳴都市 2025》は、藤本壮介さんが描く“これからの都市のかたち”を表したコンセプトモデル。

都市なのに、まるで森のよう。建築なのに、自然の一部みたい。そんな不思議でやさしい未来の風景が広がっていました。

これが未来の都市?って思うくらい、静かでおだやか。

近未来SF的なかっこよさというより、「人がちゃんと生きられる場所」ってこういうことなんだなって、しみじみ感じました。


⭐︎ミュージアムショップ

展示の余韻のまま、ふらっと立ち寄ったミュージアムショップ。

図録やポストカードはもちろん、ちょっとした雑貨や文具もあって買わなかったけど、あとからじわじわ気になってきてます笑。


⭐︎まとめ

展示を見終わって思ったのは、藤本壮介さんの建築って「未来の形」だけじゃなくて、今のわたしたちの暮らしや心にもすっと寄り添ってくるものだなってこと。

便利さや効率だけじゃない、自然や人のあたたかさを感じられる場所がこれからもっと増えたら、毎日が豊かになる気がします。


⭐︎基本情報

住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 電話番号:050-5541-8600(9:00~20:00)

営業時間:月・水~日 10:00~22:00/火 10:00~17:00(最終入館は閉館の30分前)

公式サイト:https://www.mori.art.museum

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